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第17号 2008.11.29

○ビブラート

 歌にならないからと、語尾でゆらしてカバーしたらよいというものではありません。
(逆にとれば、これは歌の失敗を防ぐ“技術”として使えます)。
 ビブラートには、
・深い息をしっかりとコントロールして、声を持続して出す。
・流れをイメージして、なめらかなフレージングにする。

 感情を表現したい部分で、意識的にそれを声に拡げて強調することにより、
聴き手に気持ちが伝わるならよいでしょう。ただし、声のふるえ、自分の意識で
コントロールできない声ゆれはよくありません。
今はマイクに相当のエコーがかかるので、あまり余計にかけてはなりません。
 ビブラートは、発声の基本を極めていくと、自然に身についてきます。
歌い手の喉仏が微妙に動くのをみたことがありますか。声は共鳴によって出る
ものだから、メリハリをきかせるためにフレージングに、共鳴の流れが声に
表れてきてしまうのです。それが歌に心地よいゆらぎを加えるのでしょう。

 トレーナーにも、歌にビブラートをつけた方がよいという人と、ビブラート
させてはいけないという人がいます。これはビブラートがどういう状態を示すのか
が使っている人によって違う定義が違うので、どちらがよいとも言えないのです。
トレーナーの好みも反映されます。自分の好みでみないことは、歌い手にも、
トレーナーにも、とても難しいことです。
 無理な“ビブラートもどき”をかけないように注意することはあっても、
ビブラートのためのトレーニングというのは行なっていません。だからといって、
やっても悪いことは何もない。試すのはよいでしょう。

○フレージングについて

・フレーズの入り方(歌での声立て)
 早めに出るのも、ためがあってからバーンと出る場合も、あらかじめ
描かれた円の流れの中でなめらかに合流するような感じにします。
決して突発的に声にしないことです。前のフレーズでの声の切り方に
対して、もっともよいタイミング、声量、声質で次のフレーズに入るのは、
簡単なことではありません。日本人は、ゆったりと出だすことが多いようです。
ずり上がりは避けましょう。今の歌では鋭さが欠かせません。そこに音感、
リズム感、声質が瞬時に出るのです。私のイメージでは、ためて息が出て
声が導かれる感じで瞬時に入ります。

・フレーズのキープ
 直線的に、棒のようにひっぱらないように注意します。統一した響きの
線でライン(円)を描くようにします。やや強めていってもよいのですが、
変に揺らさないことです。力でなく、呼吸でアクセルを緩める感じです。

・フレーズの終止
 フレーズの終止は、徐々に声を消し込んでいくのが基本です。
そこで振るえたり、揺らしたりしてはいけません。すべての息を使いきる
ようにしてしまうと、息の支えがなくなって声がふらつきます。
中には、急に止める(切る、カットアウト)場合もあります。
 しかし、この場合も、口先でなく、体で切ることが大切です。
どちらであっても、流れの中で放す感じで、軽く響きも(胸中から鼻の
線上に)残り、声は消え入っても、動きがバタと止まってはなりません。
声の切れるところは、聴く人の耳に残る大切なところです。
もちろん、次のフレーズの入るところを踏まえて放します。

 私は、フレージングにタッチ、ニュアンスをおくとか、エッジをきかす、
ピークや発色させるなど、独自のイメージで課題を与えています。
もっと大切なのは、フレーズの終止から、次のフレーズに入るまでの
流れの保ち方です。そこでのブレスによる流れの変え方、
リズム・グルーヴ感なしには語れません。
 付言するなら、たとえば4つのフレーズを歌うなら、4つの同じ山では
なく、一つの大きな流れで一貫させた上で、4つのフレーズを
おかなくてはなりません。常に起承転結を意識してください。
歌一曲、最後まで気持ちが切れてはならないのです。

○口を大きく開けない

 口をパクパクと開けすぎるのは、発声の邪魔です。
しかし、まだ声の出にくい人は、表情でもフォローできるし、
表情筋も鍛えるべきなので、口の動きは発音に大切です。
目的はそれぞれ、ただし、口を開けるのと口の中を開けるのと、
喉を開けるのとは違います。


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<「トレーナーの選択」に関するQ&A>

Q15.トレーナーの個性や独善に偏らないためには?

A.ここの場合は、会報を月に1回出しています。私はこれまで
いろんな人に会って、現実の場を知っているから、いろんな人の成長や
プロセスをみたり、トレーナーへのアドバイスにも活かしています。
他をやめてきた人は、そこで何かを教わってきたので、遡ればその先生の
考えが入るわけです。それも活かしていく。すると、ここは全国の先生が
いるのと同じようになるわけです。その中でいいものがあれば吸収して
いけばよいのです。

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