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第29号 2009.02.28

○一般的なヴォイストレーナーの仕事(専門)

 この間に日本中にたくさんのスクールや講座ができてきました。
いくつかの発足をも手伝い、顧問もしてきました。あまりに安易で、
やや平易するところもありましたが、お役に立てたらと、私自身、
本の学校や教育というのを考えるよい機会となりました。

 私の場合、ヴォイストレーニングを中心に生きているのではないし、
自らもヴォイストレーナーと思っていないのですが、今のところ、
他に一般的な肩書きがなく、まわりにその役割を期待されて演じさせ
られているのが、現実です。(本やHPでは、やむなく使っています。)

 決して、多くのヴォイストレーナーの代表でも、彼らより優秀で、
ここに述べているのではありません。むしろ、そうでないからこそ、
このように早くから、多くの分野の方々の力を借りてやれてきたのだと
思っています。(一人だけでやっているトレーナーばかりの中で、
多くの方々と学べたことは大変に有意義でした。)

 私が現在、名実ともに、ヴォイストレーナーの名に値すると思うのは、
日本ではほんの一握りの声楽家と演出家にしかいません。
ただ彼らは、良心的すぎて、ここに述べるような本音は述べないから、
私が書くのです。(その理由は本書に若干触れています。)

 ヴォイストレーナーの多くは、声楽かヴォーカル活動の副業でやっています。
 私は、多くのトレーナーを雇ってきましたから、トレーナーよりも
トレーナーのことを述べるにはふさわしいとご理解いただければと存じます。
 こういう本の場合、誰がどういう立場で語るか、このことは結構、
重要なことなのです。

 これまで、出会ってきたトレーナーについての出身や活動をみましょう。
1.音大を出ている。声楽家として活動している。
2.ポピュラーのスクールに通っていた。
3.ポピュラー歌手としての実績(プロなど)をもっている。
4.作曲家である。
5.役者である。
6.演出家である。
7.プロデューサーである。
8.海外の音楽スクールへ留学した。
9.外国人アーティスト、トレーナーである。

 私がトレーナーの採用や研修を通して知ったことを、特にレッスンの
受け手である生徒のためのメリット・デメリットから述べてみたいと思います。
こういう人が教えたり、本を書いたりすると、どこがすぐれ、
どこが足らないかもわかると思います。

○トレーナーについて判断すること

 まず、その人が誰と接してきたのか、今、接しているのか。
どれだけ効果を出しているかを知りましょう。
トレーナーは、本人が声がよいとか歌がうまく歌えるのではなく、
人を育ててなんぼです。そこを誤解する人がたくさんいます。
 ヴォーカリストや役者としてすぐれていることと、トレーナーとは違います。
もし、すぐれているなら、その人の作品がどうなのか、どのくらい売れたのか、
みてください。

 しかし、こういう考え方の人は、自分の進みたい分野の第一人者に
直接、つきましょう。トレーナーとしてよいかどうかは別として、
多くを得られるチャンスには違いありません。
 しかし、ヴォーカリストとして成功し、活動のできている人は、
普通、自分の創作活動に忙しく、また、のどの管理などに人一倍気を使うため、
とても生徒を引き受ける余裕はありません。

 ヴォーカリスト、役者としての実力の判断と、トレーナーとしての評価は
全く別です。相手が初心者だから通じる大声や高音を出しても、
何の自慢にもなりません。その声から何が伝わってくるかということ、
何をそこまでの人生で、その声でやってきたかということの方が大切です。

 スクールなどなら、発表会などがあれば、行ってみるとよいでしょう。
生徒の実力もわかります。その上で、初心者向き、趣味向き、プロ向き、
いろんなレベルに対応しているトレーナーがみつかるでしょう。

 トレーナーの言っていることは、そのままうのみにしないことです。
「プロにする」「デビューさせる」「CDを出させる」「誰よりも上達する」
こういう人は避けた方が無難です。
タレント性やルックスで勝負しているヴォーカルを出していても、
それは、ヴォイストレーナーが育てたとはいえません。

 この分野は、実力世界で素質第一です。
しかし、タイミングも時代も大きく関わる分野において、絶対ということは
ありません。まして、身体差や育った環境に、大きく左右される声において
確約は無理でしょう。仮に10年に2、3人しかとらず、大ヒットさせた
ヴォーカリストに育てたという人がいたら、別ですが、日本では聞きません。
海外でもトレーナーとしてヒットさせた人をみている例は多いのですが、
一から育てた人というような人は、他の分野と違って、あまりいないものです。
それはトレーナーの才能とは異にします。☆

 歌ではすぐれていると思うトレーナーも、私はたくさんみてきました。
1.元よりすぐれていた人
2.人を育てていない人
3.プロとやっていない人

 こういう人は、素人受けをするのですが、あまり人は育ちません。
何よりも自らのコネクションさえないので、先はみえません。
なかには、やたらと声にマニアックに偏向している人も多いのです。
トレーナーというよりも、私流研究者、私がみると、他人の声ではなく、
自分の声が趣味の人ともいえます。自分のステージの客として
生徒を扱いがちな人も少なくありません。

 また、一人のトレーナーにつく弊害についてもいろいろとあります。
あなたが、もし、
1.世の中で勝負したことのない人
2.ステージ経験のない人
3.歌ったことのない人   なら、
 こういう場合、特に一つのトレーニング方法にはまっていき、
抜けられなくなりやすいので、気をつけましょう。


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<今週のQ&A>

Q26.レッスンやトレーナーとの相性について。

A.いろんな問題があります。私は構わないのですが、いろんなところで
習われている方というのは、次のトレーナーがやりにくくなるケースが多いです。
ここでも同じです。ここは12名ほど声楽を中心に、トレーナーが在籍しています。
一人で私が見ているように思われがちですが、ここは組織として運営していて、
もっとも適任者が見ているのです。複数のトレーナーがつくこともあり、
いろんな問題も起きます。でも、それこそがもっとも大切なことなのです。

 自分のトレーナーとうまくやれている人はきません。ということは、
トレーナーか本人とトレーナーとの関係に問題があるのです。
 声について、もっとレベルアップしたいということで来られることも多いようです。
ヴォイストレーニングの問題としても、どの目的で、何を優先してやるかという
ことは、結構難しいことです。
 いろんなところで受けられたり、地元でやっているのとも、比べています。
高いレベルを目指す人や、教える体制がないところなら、1ヶ月に2回くらいでも
ここを選んだ方がいいこともあります。

 それから、まだまだわからないこともあります。実際に、ここでもどのトレーナー
に見てもらえばいいのか、曜日や時間帯で決まってしまうこともあります。
 どんな体制を組めばいいのかというのを基に考えます。
私の場合は、ここの最高目的に対して、自分だけではとても足らないので、
研究所をつくりました。
 最初は、一人で呼ばれて、プロのプロダクションとやっていたのです。
有名な人とずいぶんやりましたが、そこだけでは本当に育たないとみて、
このように組織化して一般の人から始めたのです。

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