第38号 2009.05.09

○海外の音楽スクールについて

 日本では、トレーナーに関わらず、「○○中退」などというのが肩書きに
使われています。卒業していないのは、肩書きとはいわないのです。
向こうは入るのは誰でもお金で入れるからです。出るのが難しいのです。
「早稲田中退」などというのが、日本で肩書きとなるのは、日本での難しい
入試を入ったことでの評価です。日本は逆に卒業は簡単だからです。

 それはともかく、向こうの人はフレンドリーです。
音楽に対して自らは厳しくても、日本人がきたことで歓待するからです。
本来、差別を受けるくらいではじめて対等といえるのです。とにかく現地では、
語学力でついていけず、ほとんど脱落するか日本人村にいます。
 私は声を聞けばわかります。ダンスや楽器ほどのレベルには到底、及びません。
日本人の弱点である海外の権威をあげる人は、他の分野と同じで、あとを
絶ちません。それが今だ、日本独自の歌を世界に打ち出せずにいる遠因です。

 私も世界中の海外や現地スクールにはよく行きますが、いつかきちんとまとめる
までは、まだ口に出しません。先方に思わぬ迷惑がかかることもあるからです。
 すぐに紹介してくださいと請われるのも困りものです。紹介という意味を
わからない人を、どうして紹介できるのでしょう。留学では、音楽に限らず、
けっこう問題を起こしている人が多いのです。

 音楽留学の実体は、ただの体験レッスンにすぎないことがほとんどです。
どこのスクールでも、日本人には上客としてVIP対応してくれます。
ビジネスだからです。

○ワークショップについて

 だいたいの場合は、“自分で声が出ない状態を作っている”のを開放して
いくのが、巷でやられているヴォイストレーニングです。もっと楽しくやろうと、
みんなでワイワイやり、そのうち気持ちが開放されていく。だから楽しいし、
うまく声が出たような実感が得られる。これを一つの目的にやっているのが
ワークショップです。

 主として今は、劇団の人がアマチュア向けにやっているものであり、
演劇ファンを広め、また演劇へのガイダンスとしての役割を狙いとしています。
 そんなもので本舞台に通用するはずはないのですが、すべてはわずかな日数で、
参加した一般の方の満足度で問われる以上、そこへのサービス、
体験の実感がトレーナーの役割となります。

 体が固くなっているよりは開放されている方がよいということは、確かです。
そういう調整トレーニングがプロのノウハウから降りてきているのは、
一般の人にはよい状態を自分一人ではとり出せないからです。
しかし、プロがやっている調整トレーニングというのは、元の状態になれば
通用する力のある人たちにしか通用しないのです。そのことをわかって、
プロが一般の人に教えているのが、ワークショップなのです。

 しかし、最近のプロ(もしくは、そのレベルの人)には、自らの歌や発声は
できても、そのプロセスの把握ができず、素人も自分と同じやり方でやれば
すぐできると、本気で思う人も少なくないようです。こればかりは、いろんな
タイプの人を世界中、長期でみた経験がなくてはわからないことかもしれません。
一人でやれている人ほど、自分のプロセスの把握もできていない人が多いのです。


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<今週のQ&A>

☆Q35.ウォーミングアップは、何分くらいやるべきでしょう。

A.ケースバイケース、人や目的にもよります。ウォーミングアップですから、
発声がスムーズにできるための下準備です。いきなり声から出すと、
余計な負担があるので、エンジンをあたためておくのです。
プロでも比較的、始動がスムーズにいく人と、何十分もかかる人がいます。
しかし、これも自分やそのときの自分の状態を知って対処していくのです。

 レッスンの隠れた目的は、トレーナーとともに、自分の声がうまく出せる
ことの前に出せるようにもっていく処方を知ることにあります。
すぐ声が出やすい人を胸の柔らかい、出にくい人を胸の固い、ということも
ありますが、これは資質の違いであって、優劣ではありません。
自分のタイプと今の状態を知ることです。

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