第46号 2009.07.11

Q44.クラシックを習うと、個性が損なわれませんか。
しぜんなままの声の方が魅力的でありませんか。

A.しぜんなままの声を天然声というような言い方で、私は述べていますが、
素の声がよくて、そのまま歌わせてあまり本格的な発声に変えないようにすることもあります。
ポップスとクラシックの差というよりも、個性やステージで求められるものの違いです。
(ですから、プロにつくトレーナーは、発声だけでなく表現についてよく学んでいなくては
なりません。)

 20代くらいでの軽く透明で伸びやかな声などは、そのまま活かし、20代後半のために、
体づくりや呼吸法を元に行なうことにします。ただし、素の声、天然声のままで、
20代で通じる人は、100分の1、そのまま30代でも通じる人は、そのまた10分の1も
いないでしょう。

 20代のトレーナーなどには、そのレベルになれなかった人が、そのレベルになれない人を
教えているケースが多いため、大体がJ-POPSなどをまねさせて、本人も生徒も
カラオケのレベルから、出られることはありません。それなら、サラリーマンやOLの
上級者にもかなわないでしょう。

 欧米も、天然声のヴォーカルは多数いますが、日常レベルで声がしっかりできて、
鍛えられているので、歌唱のレベルも高く、コントロール力もついてくるのです。
私が、最大の問題としてきたのは、この日常での言語音声力の強化だったのです。
それは歌とかせりふとかいうまえに、「アー」と一言発した声の力、そのものの差の
ことなのです。

 そのギャップを埋めるには、
1.声そのものの発声力を高める(発声器官の調整、強化)
2.共鳴の調整、強化(発声・歌唱の調整)
 この二つが必要です。

 2は主として、胸部共鳴と頭部共鳴に分けて考えてもよいでしょう。
腹からの声は、日本人にもありますが、胸で芯をつかんだ声、頭で焦点を放った声
(ひびき)が少ないのです。(もちろん、日本人にもいますが、高域が求められる
歌い手には、とても少ないのです。)

 ニューミュージック系とシャウト系で、日本では圧倒的に前者、ロックでさえ、
謡曲っぽいやわらかい声になるのは、日本語の言語と日本人であることに
深い関わりがあります。そのため、日本では、頭部というより、鼻腔、共鳴があたかも
発声法のように、教えられてきました。強い息やシャウトは、のど声、地声として、
少なくともトレーナーには、好まれません。

 そこだけを教えることのポイントにすると、目的が絞られるので、楽でもあるのです。
日本の合唱団の指導によくみられます。確かに、一理あるし、私も人や目的によっては、
似た方向をとりますが、すべてのケースにあてはまるのではありません。

広告を非表示にする