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第58号 2009.11.28

○再び、プロとは

 人に寄っていく人は、そうしている限り、自分の力では何もできない。
これは、どこでも人が集まるところに、必ずある光景です。
 誰でも、まわりとうまくやっていきたい、悪くいわれたくないなどと思うのは、あたりまえでしょう。
 そのため、もう一歩踏み出せないその人のよさが、その人がそれまでやれなかった要因なのです。
もとより、それを打ち破ってまで、多くの人を説き伏せるものがないからともいえます。
 場のなかでの歌は、場を破れない。だから、場を超えて、第三者である人が集まってくることはない。
この身内の場を突き放し、第三者の客を得る力こそが、プロのプロたるゆえんなのですから。
 そこを乗り越えるためには、プロということについて、自らいろいろと学ぶことです。
どこでも、そこにいることが目的になってしまってはいけないと思います。
自分がいるところが、ライブとなるようにしましょう。

 プロとは、自分の才能の発揮できるための才能のある人と場を得られる人です。
人間、一人では何事も大したことはできません。
 本当に好きなことを好きなようにやるからこそ、プロになる。
そのために仕事として、こなせるプロのレベルを超えなくてはいけません。
 プロをやり続けるには、実績を残すことが必要です。
それは人に対して働きかけることであり、その対価が、仕事としての収入となるのです。

 サラリーマンでも10年続けたら、ギターでも歌でもうまくなります。
マチュアゆえにお金に縛られない。でも、自分の才能をより高いステージで発揮するには、
才能のある人との出会いと、本当の意味での場が不可欠なのです。

 世の中、お金があっても何もできない人もいます。
つまり、場を得てはじめて、才能は磨かれる。そこでプロは逃げ場がないゆえ、有利ともいえるのです。
集まった人の数、人の思い以上に、作品をもって返さなければ成り立たないからです。

 アマチュアが純粋に音楽を愛せるなどという人が多くなりました。
その大半は、いくら本気のつもりでも、つもりだけで、カラオケを一人で歌っているのにすぎません。
だから、うまいと言われても他人を感動させられません。感動させたら、人は必ず集まってきます。
 プロの価値は、人に対する創造活動にあるのです。その過酷な自らとの戦いを避け、
対価以上の仕事をしないと成立しないプロという世界を垣間見ているだけでは、つまらないでしょう。
 まさに、それは低いレベルのプロをプロといって、さげすさんでいるのにすぎないのです。

 それは同時に、生活のなかに本当に音楽を取り入れ、音楽とともに暮している
“プロ”中の“プロ”として、お金をとっていない“アマチュア”の人々への侮辱にもなりかねません。

○トレーニングで本当にやるべきこと

 私のところを出て活躍している、ある劇団の主役の方と話しました。
  1.とことん地味なことをやること。
  2.今すぐ必要なことと正反対のことをやること。
  3.すぐに効果の表われないことをやること。
つまり、本当にやるべきことは、付け焼き刃でできないこと、時間がたっぷりかかることをやるという。
たとえばダンサーなら、クラシックバレエや日本舞踊をやることです。
タップをやるときにタップの練習をするのはあたりまえのこと、
すべて現場のことは現場でやれるようにするのです。それだけでは続けられないのが、プロの世界なのです。

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<今月のQ&A>

Q52.セッションでうまくできません。ヴォイトレの成果をどう出せばよいでしょうか。

A.自らリードするのか、合わせるのかによっても異なります。
未知の状況において、もっとも適切なものを取り出し、対応する力が必要です。
しかし、それが足らなければつくらなくてはなりません。
 どちらにしても、ヴォイトレでは即効的なことを考えず、声の自由度を確保しておくことです。
自由度とは応用性、しなやかさと柔軟さです。器を大きくして、できるだけしぜんに処理しておけることを目指します。
 器の中で対応できないのにやらざるをえないときは、無理も必要ですが、必ず戻しておくことです。
ウォーミングアップは器を目一杯使える状態にすること、クールダウンは、器のど真ん中に戻してあげることです。

Q53.4人でコーラスをしています。私だけ声量が足りません。

A.マイクでヴォリュームをあわせてください。無理に出す必要はありません。
もっともよくコントロールできる声量は、それぞれに違います。 
アカペラなら、4人でバランスを考えましょう。あとは、地道にトレーニングです。

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