読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

第62号 2010.01.30 ○足らないものより、優れたものに目を向ける

○足らないものより、優れたものに目を向ける

 足らないものを補うためにトレーニングをするのは、悪いことではありません。
しかし、声、せりふ、歌に関しては、それは補強にすぎず、本当の目的は、自らのオリジナルな可能性を伸ばすことです。
・高い声が出ないー
・音程が悪いといわれたー
・声量が他の人よりもないー
・ヴォイスがうまく出せないからー

 これらは具体的ですが、本来のメインの目的ではありません。メインのことを伸ばす中で、解決できればよいという副次的=サブの目的です。仮に解決できなくとも、大して問題ではないのです。
 これらのことは一時、横において、まずは、しっかりと一つの声が出るようにトレーニングしましょう。
 本番で力を発揮するには、集中力が足らない、コントロールがいい加減などの方が、もっと大きな問題だからです。表現する力から考えていくのなら、そうなります。

○真の目的をセッティングする

 プロをみてください。もし、そういう方向を目指すなら、彼らは、何の力で成り立っているかをみることです。発声ですか、声域、声量ですか。そういう人もいますが、そうでない人も多いですね。その人でなければない魅力をつけるのに、他人と同じようになっていこうとするのはおかしなことでしょう。
 自分の可能性を伸ばして、最大の力が出るように、オリジナリティの魅力で、人をひきつけられるようになることこそが真の目的でしょう。これは先述したサブの目的とは、深さの度合いが違います。

 応用してみて、基本の足りなさがわかる、そのギャップを埋めるために学ぶのです。
そのギャップとは、サブの目的と全く違うところにあることが大半です。サブとは、他人と比べてということで、メインは、自分自身のことです。どういう問題に関しても、より優れた人に比べたら、いつまでも劣ってみえるのはあたりまえです。
 しかし、あなたは、世界一、声域のある人、音程のよい人、声量のよい人になりたいわけじゃないでしょう。むしろ、自分自身のもって生まれたもの、育ちで得られたもの、思考や性格の入ったオリジナリティを確立させていきたくはありませんか。
本当に高いレベルでは、他人はそれしかあなたに求めません。

 そのためには、しぜんな応用から入るのが一番なのです。それは、あなたそのものですから、とても未熟なものですから、まだきっとあなたが誰かのものまねをするよりも評価できないレベルのものなのです。だからこそ、学んでいくのです。この本質的な目的に対して、学んでいくスタンスをとっている人は、日本ではあまりに少ないのです。トレーナーも同じで、プロや自分に似させて育てようとする人が大半なのです。気をつけなくてはならないことです。

-------------------------------------------------------
<今月のQ&A>

Q60.どうしても低いところや語尾でピッチが乱れます。

A.一般的には、発声練習をしましょう。マイクを利用して「消し込み」ましょう。
ことばや息でピッチそのものをあいまいに聞かせなくするのです。

Q61.吐く強さと声の高さは関係ないと聞いたのですが。本当ですか。

A.これも誤解されやすいのですが、呼気圧を強める(高める)と、声の高さ(基本振動数)も上がります。ただ、そうでなく、たとえば、声帯の緊張を高めたり、使い方を変えることで、高めることもできます。ですから、ピアニッシモでも高音を出せるのです。 呼気圧は、
一つの要因にもなるのですが、高くするのに強く息を吐かなくても、よいということです。
歌唱におけるハイトーンやファルセットなどは、強いとうまく出せなくなります。